march 4, 2009

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寺澤貞裕チーフ、稲越功一先生、
おふたりのご冥福をお祈りします

デザイナーに限らず、
専門分野で仕事をする人なら、
「この人はかなわない」という
誰かがいるものでしょう。
僕の場合も何人かいて、デザインセンスの良さで、
ずっと憧れ、意識し続ける人がいます。

その人の名は寺澤貞裕さん。
修業時代といえるメディア在籍中のチーフで、
20年も前のわずか4年ではありましたが、
たいへんお世話になりました。

ずっと岐阜にいるせいで、
デザイン業界ではほとんど無名だけれど、
レイアウトのモダンなセンスは抜群で、
かなりカッチョいい仕事をなさっていました。
例えるなら原研哉さんをヨーロッパ風味にして、
もっとモダンにした感じでしょうか。

普段、接点はあまりないけれど、
ある年の夏、暑中見舞いハガキのデザインが良いと、
わざわざ電話をくれたことがありました。
「いろんなデザイナーからハガキが来るけれど、
 ナカシマくんのデザインは好きだ」
と言ってくれたのは、本当にうれしくて、
人生の中で思い出に残る言葉ベスト10に入るほどです。
今でも年賀状をデザインする時には、
「寺澤さんは褒めてくれるだろうか」と、
必ず思い浮かべます。

2月のある朝のこと、ネットブラブラしていたら
「愛知県の犬山にあるリトルワールドに行ってきました」
との、見知らぬ誰かのブログを発見。
普段、ブログにコメントなどほとんどしないのですが、
「昔、仕事をしたこともあって
何度か行ったことがあります。懐かしいな〜」
などと、懐かしさの余り書き込み。
明治村などの仕事を寺澤さんと一緒にしていたのです。

そしてその日の夕方、
突然届いたのは、寺澤さんの訃報でした。

ストレスが原因の病気で、
最近は体の具合はすこぶる悪いと聞いてはいたけれど、まだ52歳。
残念でなりません。

最後にお会いしてからもう10年、
電話でお話ししたのが5年前で、
近年は年賀状のやり取りだけでした。
ブログの件はただの偶然であるにしろ、
天国への行きがけに、
ちょっと声をかけてくれたのかもしれない。
そう思うと悲しさより、
うれしさが湧いてくるから不思議です。





そして2月も終わろうかという日のこと、
お世話になっている写真家・稲越功一先生が亡くなりました。

僕は稲越先生のウェブサイトをデザインさせていただいていますが、
稲越先生と知り合ったのは3年前、
ライター・溝口努さんの紹介でした。

ウェブデザインは本業でなく技術的にもかなり初歩的で、
ある意味微笑ましいといえるレベルなのですが、
先生は僕のデザインを気に入ってくださり、
ほとんどすべてをまかせてくださいました。

まかせてくださったというのは、本当に100%おまかせ。
3年間のお付き合いの中で、
制作前のリクエストは多少あったものの、
デザイン修正はただの一度もありませんでした。
単純に関心が低かっただけなのかもしれないけれど、
ものを作る一流の人は、
作り手の気持ちを良く分かっていらしゃる。
東京タワーをついつい「テレビ塔」と言ってしまう僕ですが、
さすが東京でやってる人は違うなあとも思ったものです。

展覧会があるたびにパーティに呼んでくださいました。
普段、お会いすることのないような、
著名な方々と接することが出来たのも、
いなかっぺの僕にとっては良い思い出です。





気さくでやさしく、
ひとなつっこい笑顔が印象的だったお二人。

ご冥福をお祈りします。


                   中嶋